親とは。子とは。「さよならの朝に約束の花をかざろう」レビュー

皆様こんにちは!アニオタです。本日は、2018年に公開された、岡田麿里監督・脚本の「さよならの朝に約束の花をかざろう」のレビューをいたします!

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皆様こんにちは!アニオタです。本日は、2018年に公開された、岡田麿里監督・脚本の「さよならの朝に約束の花をかざろう」のレビューをいたします!
ネタバレもあります!最後までぜひ読んでいってください!

「さよならの朝に約束の花をかざろう」のあらすじ

10代半ばの若い姿のまま数百年を生きる不老長寿の一族「イオルフ」は、人里離れた土地で「ヒビオル」とよばれる布を織って静かに暮らしていた。しかし長寿の血を王家に引き入れることで王家の神秘性を高めることを画策するメザーテ国王の命により、軍人イゾルの率いるメザーテ軍が翼をもつ古の巨獣「レナト」に乗って襲来し、イオルフの里は侵略される。その最中、イオルフの少女・マキアは、暴走したレナトによって偶然にも遠くの森へと運ばれ助かる。一方、マキアの親友だったレイリアはイゾルに捕らえられ、メザーテの城に連行された。

仲間も故郷も失い森をさまようマキアは、盗賊に襲われ全滅した流れ者の集落で生き残っていた赤ん坊を見つけ、育てることを決意する。マキアは人里に出て、農場の女主人・ミドの世話になりながら、エリアルと名付けた赤ん坊の男の子を育てていく。しかし数年後、レイリアがメザーテの王子に嫁ぐことを知り、まだ幼いエリアルを連れて都へと向かう。マキアはその道中、イオルフの少年クリムやその仲間の生き残りたちと再会を果たし、彼らのレイリア救出作戦を手伝うことにするが、結婚を祝うパレードから救出されたレイリアは既に王子の子を身籠っており、救出を拒み城へと戻る。

月日が流れエリアルも成長していったが、いつまでも10代半ばくらいの外見のマキアは、一つの町に留まることができず、エリアルとともに町を転々として暮らしていた。ある日、二人は、大人になり軍に入ったミドの息子・ラングと再会し、旧交を温める。しばらくしてラングはマキアに告白するが、マキアはエリアルの母でありたいとそれを断る。しかしエリアルは、実母でもないのに母親としていつも自分のことを考えてくれるマキアとの関係に悩み、守られているだけの自分に葛藤し、マキアのもとを離れてラングの紹介で軍に入隊する。いっぽう城では、王子とレイリアの娘・メドメルにはイオルフの特徴が遺伝していないことが判明する。レイリアの元には王子も来なくなり、メドメルとの面会も禁じられ、ずっと孤独に幽閉されていた。

レイリア救出を諦めないクリムは、マキアを連れてメザーテの敵対国に赴き、それらの国々を煽動して戦争を引き起こし、混乱に乗して再びレイリアを連れだそうとする。しかしまたもレイリアに断られ、レイリアと心中しようとしたところをイゾルに射殺される。エリアルは軍に入ったのち幼馴染のディタと結婚しており、もうすぐ子供も生まれるところだったが、敵国軍が襲来したため迎撃に向かう。クリムとともにメザーテに入ったマキアは偶然ディタと再会し、その出産を助ける。戦いが終わり、目覚めたエリアルのそばにはマキアがおり、ディタに子供が生まれたことを教え、別れを告げる。マキアは城で1頭だけ生き残っていたレナトに乗り、レイリアを救出して飛び立つ。

数十年後、娘や孫と暮らす、老いて余命僅かなエリアルの家に、まったく変わらない姿のマキアが訪れる。マキアはベッドで眠るエリアルに声をかける。エリアルが小さく返事した後に目を閉じ息を引き取ると、マキアははじめて出会ったとき彼を包んだヒビオルをかける。マキアは静かに家を出たあと、エリアルとの日々を思い出し号泣する。バロウの荷馬車に乗ってマキアは村を去る。

Wikipediaより引用

監督について

監督の岡田麿里さんは脚本家としてご存じの方のほうが多いのではないでしょうか。特に超平和バスターズ名義での「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」、「心が叫びたがってるんだ。」、「空の青さを知る人よ」は、アニメが好きな方なら大体見たことがあるのではないかと思います。

岡田麿里さんの作品は、心の動きの描写が素晴らしいですよね。映画の作品はよく感動して泣くことはあるのですが、あの花はまさかテレビで放送しているアニメで泣かされるとは思わず・・・。

また、調べてみましたら岡田麿里さんは学生時代に不登校だった時期があったらしいのですが、それが作品のキャラクターの描写をよりリアルにしている気がします。人間の嫉妬や無気力や悲観などの感情が、ちょっと眼をそむけたくなるくらい現実味があって、見ていてすごく胸を締め付けられます・・・。見たことない人はぜひ見て・・・!今すぐ見て・・・!

「さよならの朝に約束の花をかざろう」の感想

寿命の差って切ない

公開当時、Twitterで「魔女集会で会いましょう」ってタグが流行っていたんですよ。魔女と人間の寿命の差の魅力が詰まったタグなのですが、魔女ではないですがちょうどこんな感じだなぁと・・・。

「さよならの朝に約束の花をかざろう」では、10代の見た目のまま数百年もの時間を生き続けるイオルフという種族が出てきます。彼らは「別れの一族」と言われており、普通の人間の世界に出たら、「大切なもの」を作ってはいけないと言われておりました。

人の一生を、そばにいれば初めから終わりまで見ることができる、と思えば少し気にならないでもないですが、例えば言葉ではコミュニケーションが取れないペットでも別れの時は悲しいものなのに、最初は小さくて話すことができなかった子が意思疎通ができるようになり、長い間時をともに過ごした人間の最期を見て泣かないなんてことできますか・・・?マキアはもっと泣いてもいい・・・。

それでも、エリアルとの約束を守ろうと耐えていたマキアは本当に強いお母さんだったなぁとしみじみ感じました。別れてしんみりしてるところにあのエンディングの曲・・・泣いちゃいますよ・・・。

どの世界でも差別はある・・・

イオルフは、長寿と同時に不老です。物語の冒頭のように、同じ種族が一緒に過ごしている集落などは、同じ文化・同じ時間経過を周りと共有できるので何も問題ありませんが、寿命の違う人間と一緒に暮らすとなると話は別です。外見が全く変わらないので、奇異の目で見られる可能性があります。

外見が10代の見た目というのがつらいですよね・・・20代から30代くらいの見た目だったらギリギリ美魔女でごまかせそうなのに・・・。イオルフという種族についても理解のあったミドは本当に稀でいい人だったんだなぁ・・・。

イオルフが普通の人の生活している世界におりてくるということがほとんどないんだとは思うのですが、伝説になっている種族イコール敬う対象とはならないのが悲しいですね・・・。現実世界でも、肌の色が違うだけでも悪意はなくてもなんとなく目で追ってしまうこともあると思うのですが、そういうちょっとしたことでも見られている本人は嫌だと思ったらだめですよね・・・気を付けよう・・・。

様々な親子のかたち

主軸としてはマキアとエリアルの親子の様子がメインかと思いますが、レイリアとメドメルの親子にも注目です。

レイリアはメザーテの権威を守るために強制的に連れてこられ、メドメルをお腹に宿します。メドメルはマキアとエリアルと違って実子ですが、その後二人は面会ができないようになってしまいました。

実子ではないけどずっと一緒にいて、旅立ちの時まで時間を共有するマキアとエリアル。実子なのに離れ離れになり、最終的には永遠の別れを告げるレイリアとメドメル。最終的な親子のかかわり方の終着点も違う二つの家族の選択にも注目してご覧になっていただきたいと思いました。

エリアルの思春期の葛藤

成長すると反抗期というものが誰しも来ると思うのですが、エリアルの場合すごく複雑ですよね・・・。外見だけで見たら、マキアとエリアルは親子には到底見えませんし、血もつながっていないので・・・。

エリアルの年齢で、マキアのように同じ年頃の見た目(実際は何年も年上)の子が、常に自分を中心に考えてくれていて、かつ長い時間を共にしているとなると、親愛なのか恋慕なのかよくわからなくなってしまうのも仕方ないかと思います。しかもあんなにかわいいんだから・・・。酔って帰ってきて口論になっているところは、日ごろ感じていたエリアルの葛藤が爆発してしまった場面でした。

・・・すごいオタク視点ですと、大変おいしい設定でした笑

1番好きなキャラクターは「マキア

一番好きなキャラクターは「マキア」です。おっとりして見えるのに、とても芯がしっかりとある素敵な女の子です。

イオルフの集落から離れ、賊に襲撃されたと思われる移民のテントで、亡き母に抱きしめられているエリアルを見つけ、その子を自分のヒビオルだといって我が子として育てる決意をします。

凡人の自分からしますと、まずもうこの段階ですごいです!軍以外の自警団のような治安を守る団体がない世界なのかもしれませんが、助けるまでは仮にできたとしても、自分一人の力じゃ到底育てていけないと感じ、どこかに預けようと思う人がほとんどじゃないでしょうか。しかもイオルフの集落から離れたばかりで右も左もわからない状態です。こんな不安しかない状態で、他人を助けてあげようと思うことができるでしょうか。

最近は毒親なんて言葉があるくらい、親が血のつながりがあるだけで育てる気がない、または過干渉によって子どもが歪んだ育ち方をしてしまうこともあります。それに対し、エリアルは反抗期でマキアと別れてしまったこともありましたが、エリアルに父としての自覚を持たせていたのも、マキアの様子を幼いころから見ていたからなんじゃないかと思いました。自分のヒビオル(記録)として、マキアはエリアルを立派に育てたと思いますよ。母とは何か、親子とは何かを考える良い機会になりました。

余談ですが、途中もしかしてエリアルと恋愛関係になるのかとそわそわしてしまいました笑。それはそれであり・・・でもエリアルの葛藤がさらにすごいことになりそうだな笑

「さよならの朝に約束の花をかざろう」はこんな人におすすめ

  • ファンタジー世界が好きな方
  • 親子の絆を感じる作品をお探しの方
  • 子育て中の親御さん

明確な育児の参考にはならないかと思いますが、今作を鑑賞すると、子を育てるとはどういう気持ちであるべきかを考えさせられると思います。
作中子が先に旅立つわけですが、順当にいけば親が先に旅立つと思いますので、自分も生きてるうちにいっぱい親孝行してあげたいなとしみじみとしてしまいました。

さいごに

ご一読いただきありがとうございました!
今後も様々な作品のレビューをしてまいりますので、次回もよろしくお願いいたします!
今回紹介した「さよならの朝に約束の花をかざろう」は、以下から視聴可能ですので、ぜひ皆様も一度ご覧ください!

最近上映開始から5周年を迎えたそうで、劇場での再上映が決まったようです!劇場で見られるなら絶対そっちの方がいいと思いますので皆さまぜひ劇場に足を運んでみてくださいね!

来週は更新お休みいたします!また再来週会いましょう!

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